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2009-03-07

『DAreflex』(コンピュータ音楽作品)解説

『DAreflex』 for Chorus, Japanese Drum & Max/MSP - Kawai Tatsuto
(ディー・エー・リフレックス〜混声四部合唱と和太鼓とMax/MSPのための/河合達人)

MP3版(320kbps)ダウンロード→こちら

<概要>
 人間の「反射反応」について、みなさんご存知かと思います。私が「反射」の不思議を一番感じたのは、顔をやけどした時でした。熱いものが顔全体にかかった瞬間に、手が勝手に動きそれを拭っていました。そしてあとから「あ、手が動いている」と気づくのです。

 自分が気づかずにそうしてしまっていることを後からふと感じると大変不思議に感じます。それは、生理的な反射反応に限らず、例えばその場の雰囲気にのまれて動いてしまう…ということもあるかもしれません。

 「トランス状態」も一種の反射から起こるものだと思います。インドネシア・バリ島の音楽「ケチャ」は、夕暮れ時大勢の男たちが円形に座り奏でられる響きによって、演奏者も聴衆もその雰囲気にのまれトランスするそうです。

 そのように精神的な反射も含めた「反射」反応の神秘を、擬似的に体験できる曲を書きたいと思い制作しました。"のまれる"雰囲気を体験していただきたいと思います。どうぞ楽しんで下さい。音大生ブログRankingに投票!

<パッチ、楽譜>
 pencil「DAreflex」パッチ集
 pencil「DAreflex」楽譜

<システム構成>

・ハードウェア

 Apple MacBook(MA255J/A, MacOSX10.4.9)…プログラムを動作させるパソコン
 iiyama TXA3311M…指揮者確認用映像出力ディスプレイ
 EPSON ELP-811…演奏者視認用映像出力プロジェクタ
・ソフトウェア
 Max/MSP(Version5.0.2) + Jitter(Version1.7.0)

<曲の構成>
 ケチャからの発想を得、リズムの組み合わせの面白さを考えました。そしてそれに、日本語の響きを加え、制作しました。

 合唱団は、曲の前半は記譜どおりの音楽を、曲の後半(スクリーンに文字が投影されてから)は4種類あるリズムパターンのどれかを、プログラムが決定する指示通り演奏します。和太鼓奏者は、曲を通して記譜通りの演奏をします。

 合唱パートの譜面は、絶対的なピッチではなく「その人の一番低い声」・「普通に出したときの声」・「一番高い声」・「その中間」などといった、歌う人によって違う、相対的なピッチでかかれた楽譜です。また、リズムの組み合わせを聴いてもらうために、全ての合唱パート及び和太鼓の拍節構造は崩れず同時進行します。

<プログラム(Max/MSP)>
 プログラムは、和太鼓のリズムを検知し続けています。太鼓の叩くリズムやテンポが変わることで、プログラムの決められた法則に従い、曲の後半に出てくる文字「ハ・ン・シ・ヤ」(それぞれはリズムパターン種別文字)の、組み合わせや文字の大きさがリアルタイムに決定されます。

 表示される4文字の順番が、ソプラノ・アルト・テノール・バスの順に対応し、演奏するリズムパターンの種類を指示しています。文字の大きさは、演奏するダイナミクスと対応しています。このように、リアルタイムに曲想を指揮することを目的としたプログラムです。
 

<演奏履歴>
 2009/1/27 音楽科卒業試験(初演)
 2009/2/6  作曲セミナー
  ※場所:新潟大学教育学部音楽棟合唱ホール
 2009/2/21 新潟大学音楽科卒業演奏会
  ※場所:新潟市音楽文化会館大ホール
<収録機材>
 ビデオカメラ:SONY DCR-PC350, Victor GR-DV1 x2
 ビデオスイッチャ:Roland V-4
 ※会館の録音機器(DAT)で収録した音声とDCR-PC350で収録した音声をミキシングしたものと、カメラ3台のライブスイッチング映像とを、FinalCutProで編集したものである。

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